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2009年04月14日

花の生涯−梅蘭芳



≪オフィシャルサイト≫
http://meilanfang.kadokawa-ent.jp/

≪あらすじ≫
>中国の伝統芸能、京劇界で最高の女形として語り継がれる梅蘭芳は
>北京の京劇一家の三代目として生まれるが早くに両親を亡くし、
>叔父とも少年の頃に死別する。
>その後、美しい青年になった梅蘭芳は女形のスターに成長するが、
>伝統重視の京劇の世界に疑問を抱いていた。
>ある日、彼は海外で学んだチウ・ルーパイの講演を聞き感銘を受け、
>これからは京劇にも改革が必要だと思い知る。

(goo映画より引用)


本作は、『さらば、わが愛/覇王別姫』とは違い、あくまでも伝記映画である。
その為、内容はかなり淡々としている。
元々、梅家が暖めていた梅蘭芳の人生の映画化企画を、
チェン・カイコー監督が実現しただけの話で、
日本の配給会社が付けたキャッチコピーの『さらば、わが愛 覇王別姫を超える・・・』
なんてコピーがおかしな話で、本来、比べるものではないように思う。

あえて比べるとすると、色使いやカメラワーク、演出面においては明らかに本作の方が上だ。
特に、京劇のシーンのカメラワークがすばらしく、カメラが舞台の上を舞ってるように、
躍動感に満ちあふれる映像が見ていて気持ちがいい。
退屈になりがちの伝記映画を、これだけエンターテイメント性をもたせた監督の手腕は、
賞賛に値するものではなかろうか。


キャストの演技もすばらしく、
特に梅蘭芳の少年期を演じた、ユィ・シャオチュンの演技が光る。
優雅さと華やかさ包まれた、立ち振る舞いは、見ていて吸い込まれそうになる。
個人的には、舞台のシーンの完成度は、中年期を演じたレオン・ライよりも高いように思え、
本来ならば成熟して上手くなってるはずなのに、
少年期の舞台の方が華やかってのが惜しいと思った。
だからといって、人選が間違ってるかというと、レオン・ライがもつ孤独で切ない雰囲気が、
劇中での梅蘭芳のキャラクター性と合い重なっており、他のキャストは思いつかない。
ユィ・シャオチュンは舞台出身との事なので、残念ではあるが、この差は仕方がないような気もする。

そしてもう一人、チャン・ツィイーなのだが、どちらかというと冷めた雰囲気の役柄が多く、
そういう演技が得意なんだろうと思っていたが、本作では優しく暖かい雰囲気を身にまとっている。
チャン・ツィイーって、こういう役も出来たのね・・・・。(^^;

ひとつ、勘違いしていたのが、最近、太りがちだったレオン・ライが、
女形の役なんて大丈夫なのか?といったところだったのだが、
案の定、ふくよか(笑)な姿でスクリーンに登場し、
やっぱり、減量に失敗したのか・・・と思ったのだが、
実在した梅蘭芳は、かなりふくよかな方だったそうで、
撮影前に監督から『太れ』と指示が来たそうである。


映画の内容はかなり深いのだが、
『伝統と確信』『舞台と私生活』『愛人と愛妻』『栄光と自由』『未来への希望と不安』
これらが、チェン・カイコー監督お得意の対比表現で、非常にわかりやすくまとまっている。

中でも、『不安(恐怖)』というのは本作のテーマらしく
『負けることは恥ではない、恐れることが恥なのだ』という梅蘭芳の師の言葉をはじめ、
『恐れるな』という言葉が何度も反復される。

何事も、負けることは大したことではなく、
恐れることは退廃を意味するということか。

もしかするとこのテーマの裏側には、『さらば、わが愛/覇王別姫』が成功して、
今回、それ以上の映画をと期待されたプレッシャーの表れではないかと思う。
監督自身が『恐れ』と戦っていたのかもしれない。
これから見られる方は、その辺を考えながら見られると良いと思う。

ちなみに、ある意味切ないシーンが続出するが、
泣き所は準備されてないので、そこは期待しないほうが良いかと・・・・。
posted by しま | Comment(0) | 映画-ドラマ
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